おとといきやがれ!

何もなし得ていない人たちのマガジン。

平田島村 日記『生木に咲く花』

 

 

 

 

現代を彩るアイドル・島村卯月のプロデューサー、平田島村。普段は裏方に徹している彼自身の活動について知る人は少ない。若者でもなく、オッサンともいえない彼の日記を覗いてみると、華やかな世界の裏で、あらゆる事柄が良くも悪くも交錯する、リアルな生活ぶりが窺える。








2016年10月1日(土)

日記を書くなんて何年ぶりだろう。とは言えこれを書いているのは10月2日なので、出だしからつまずいてしまった。まあいいや。昨日やったことは、まず小説執筆10,000字。さる出版でCOMITIA118に出す地方小説集『どこでもない風景』のための原稿だ。予定を超過した文字量で終わりが見えなくて死にそうだ。あとはひたすら  iPhoneで『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ』(通称デレステ)というゲームをやっていた。スクリーンショットを撮りまくった。幸せだ。あとはしまむー(デレステに登場するアイドル 島村卯月さん)のねんどろいどが届いた。写真を撮りまくった。幸せだ。同居する母親に見つからないように後で隠す。もしくは恥を忍んで会社に持って行く。『南くんの恋人』みたいに。だいたいの僕の生活ログはTwitterで把握できるんだよな。嘘は書いてない。それが他の人に見える、すなわち僕も把握している僕のすべてだ。だからこの日記はもっとエグい、僕も知らないようなことを書きながら考えようと思う。とりあえず1カ月続けます。





2016年10月2日(日)

今日は『どこでもない風景』にのせる、他のメンバー(明日さん、落ち着きのあるペガサス)の原稿をチェック、校正した。疲れた。でも結構いい感じだ。あと、冬のコミックマーケット91の抽選に受かれば出す予定のおさる手帖という評論誌の表紙イラストを神絵師と確認。とてもかわいくてえっちなラフがあがってきて嬉しかった。お昼ご飯はお好み焼きだった。夜はサンマの塩焼きとかそういうの。間の記憶が抜け落ちているのは、ほぼデレステと昼寝していたからだ。ほとんどやるべきことが終わってなくてやばい。藤原肇ちゃんという金の卵を発見したことが唯一の成果だ。大事にしていきたい。





2016年10月3日(月) 


自分のふがいなさ故、『どこでもない風景』の入稿を後ろ倒しすることにした。でも編集もデザインも執筆もやってたらそら無理よ。いいのよ。他のスケジュールはちゃんと守ってるからね。自分で紙の冊子を作る喜びは今でも感じる。でも売れないと辛いし、在庫が増えるのはきつい。本業でやってる仕事がブレイクスルーできれば、かなり自分がプライベートでやりたいこととリンクしそうだ。宇野常寛氏や落合陽一氏も言ってるけど、コンテンツがユーザーに届いて、何らかのアクションに導けられればぶっちゃけメディアなんて何でもいいのだ。落ち着いたら事業計画みたいなのを考えよう。





2016年10月4日(火)

ここ2カ月くらいのお昼ごはんは、会社の地下の食堂街しか利用していない。外に出ると暑いし、雨降るとめんどくさいし。でも同じ考えの人は多いみたいで、僕がよく利用する安くて早くてそれなりに美味い定食屋さんは最近よく行列ができていて入れない。仕方ないのでいつも空いているロッテリアで今日も食べるわけだが……長居できるのはいいけど、ダイエット中にもかかわらずポテトLサイズを頼んでしまう。そんなに僕を親しみやすいラフランス体型でいさせたいのかみんな。





2016年10月5日(水)

4年くらい前は結婚もしていたし、今ほどオタクじゃなかった。でも離婚したあたりから急にアイマスにハマったり、フィギュアを買い集めたりするようになった。僕はエヴァ直撃世代(©️西島大介)で惣流・アスカ・ラングレーちゃんが好きだったので、アスカのフィギュアを10体ぐらいと、『Fate/Staynight』のセイバーやら『ストライクウィッチーズ』のエイラやら芳佳ちゃんやら色々増えていっていつの間にか30体ぐらい持ってた時期があった。さすがに自分でも引いて、関西に引っ越すときに全部処分したんだけど……この3ヶ月くらいで4体部屋にいる状態になった。やはりフィギュアはフィギュアを連れてくるのだ……怖い。ちなみに今部屋にいるのは「ねんどろいど アリス・カータレット」「ねんどろいど 島村卯月」「figma 島村卯月」と今日届いた「Dream Tech前川みく」だ。なんでオタクはフィギュアが届いたらすぐパンツを覗き見るのだろう……とてもいけないことだとはわかっている。でもゲームやアニメでは決して見せない禁断の領域をいともたやすく見ることができる、これはすごいことなのだ。恐ろしい。





2016年10月6日(木)

コミティア118 のお釣り用に、なけなしの1万円を100円玉100枚に両替した。お金はないけど、それだけにお金が大好きなので、1万円札はもちろん好きだが、500円玉や100円玉も好きだ。両替機から50枚ずつ100円玉がまとまって出てきたとき、大金持ちになった気がした。気のせいなんだけど。お金の重みというかそういうのがね……。収入があるたびにそのいくらかを小銭に変えていって金持ち気分を味わうのもいいかもしれない。





2016年10月7日(金)

僕の今の仕事はWebディレクションで、つまるところテキストや画像・動画を、HTMLやらCSSJavaScriptのファイルにまとめてサーバにあげて誰かに見てもらう、(意識低めに言うと)そんな仕事をしている。たまに拡張子でいうとplとかtplみたいなのも扱う。この仕事は、というかだいたいの仕事はそうだと思うけど、調整やコミュニケーションがほとんどになる。自分でラフやワイヤーフレームを作る、ライティングをするのも好きだけど、今はほとんどそこらへんは外注である。だから意識的にやらないと、仕事は右から左にものを受け渡す中継作業みたいに終始してしまいがちだ。いなくても別にいい、みたいな。安月給だしそれでもいいと言う人もいる。でも僕は時間やお金をかけてその企画をやる・続ける意味は常に問いたいし、関わる以上熱量を持って良いものを作りたいと思って仕事をしている。もちろん軽重はつけて定時内にはタスクは終えるようにしてる。大事だな、と思うのは作って公開するところまでだけが仕事だと思わないこと。PDCAのDOばかりで、他が考慮されない仕事が多い。PもCもAも大事だ。今の会社はDOしかない人が多いので最初は(偉そうに)啓発しようと思ってたけど、なかなかみんな変わらないのでとりあえず静かにコツコツ成果を出すように頑張ることにした。大したことはしてないけど。ディレクターの役割は、ものを作ることではないと思う。その手段によって、誰かを外的にも内的にも動かさないと意味がない。そういうちょっと真面目なことを、自戒もこめて長めに書いてみました。





2016年10月8日(土)

今日は朝美容院に行って、うざったくなってきた髪を少し切ってもらった。美容師さんに周辺の美味しいお店をいろいろ教えてもらった。
家に帰って、14時ぐらいから集中して小説の仕上げに取り掛かった。仕上げといっても、まだまだ終わりが見えていなかった。途中、フィギュアのパンチラを確認するなど休憩を入れたり鼻血を2回ほど出したりしながら、5時間くらいで14,000字を書いた。校正や推敲の必要はあるが、一応一区切りついた。これから紙面のデザインに入る。がんばりますたい。





2016年10月9日(日)

ついに!僕の小説二作目が完成した。後半は思ってたよりボリュームが少なくなったし、結末も変わったけど、わりとやりたいことはやれた。InDesignの作業にも慣れてきた。あとは入稿するだけだ。お疲れさんでした。





2016年10月10日(月)

久しぶりにあんまり時間がカツカツじゃない休日を迎えたので、街に出て買い物したりボーッとしたりした。朝から課金ガシャに9,800円使ってしまったので書店や文房具店はまわっても何も買わないつもりが……15,000円くらい使ってしまった。「自分への投資だから!」ということで自分を納得させて生きてきたが、もう10年以上同じこと言い続けてるやんけ……。いつ晩成するねん……と思った。15,000円が1,500円くらいの感覚で払えるようになるには、年収が10倍なればいいのだろうか。僕の人生計画では5年後はそのくらいになっているはずだ。……見通し甘すぎだな。





2016年10月11日(火)

毎年毎年やってるルーチンのWebサイトの制作業務があって、ほぼテンプレートにテキストと画像を流しこんでるだけなのに新規制作と同じ値段で制作会社から見積があがってきた。僕はこの仕事を引き継いだばかりなので、当然疑問を持つ。「これ、なんでこんなに高いんですか?」と。60歳ぐらいの、話の長い、Web制作会社なのにWebのことほとんど知らない社長に電話する。色々話を聞いたけど、結局謎だった。社内や外注のデザイナーの作業費も把握してなかった。普通、1つの項目に対して●人日かかる、単価は何円です、それで利益が出るように見積すると思う(もちろん制作物・案件数や他の方式もある)んだけどそこらへんが曖昧で驚いた。この見積で何年もりん議を通してきたうちの会社もヤバい。誰も彼も仕事なめてんのか、と思った。書きすぎたけどまあいいや。





2016年10月12日(水)

また仕事の愚痴みたいになっちゃうけど……ほんとは前川のパンチラやしまむーの靴下の話だけしたいけど……仕方ない。いや、「とにかくなんでも文句言う人」ってどこの職場にもいるんだろうな、ということ。昨日、それなりにエラい人から我々メンバーに若干目的がよくわからず僕らがやらなきゃいけない理由もふわふわな仕事が増える話があった。僕も色々と意見したし、納得できない部分は多かったものの、やむにやまれぬ事情があることは理解したので業務量調整やら目的の整理などのスケジュールを作ってもらうことで落ち着けようとした。でもひたすらとにかく反対して、ずっとケンカ腰の女性(40オーバー)がいて、「うーん」と思った。悪い人ではないが、いつも否定ばかりで代案を出さない。結局なんでも自分で引き受けてしまう割とエラい人がいったん預かる形になってしまった。日本の縮図を見ているようだった。日本の全体図がよくわからんけど。





2016年10月13日(木)

10月の頭からこの日記をつけ始めるのと同時に、家計簿アプリで毎日の収支を記録し始めた。収入は月1回の給料日以外ほとんどないから、ほとんど支出なんだけど。僕は車とか家は言うに及ばず、ブランドものの時計やバッグとか、あんまり高い買い物は昔からしない。だからお金が貯まっていいはずなんだけど、口座残高は残念な数字を記録し続けている。20代の頃は被服費は月3万円以上使ってたけど、今は4カ月で3万円くらいだ。飲食費もかからない。13日間記録してみてわかったのは、dmm.comデレステAmazonへのカード支払い額が僕の支出のほとんどということ。これはまずい。エンゲル係数というか、こういうのデビル係数って呼びたい。なんとかしないと。まあQOLを保つには、僕にとっては必要な支出ではあるんだけど……。





2016年10月14日(金)

高知で活動されているデザイナー梅原真さんの『ありえないデザイン』を行きと帰りの電車の中で読んでいる。梅原さんのことは『日本の風景をつくりなおせ』という本で知ったんだけど、この方は本当にすごい。デザイナーという肩書きではあるけれど、仕事の内容はコピーライター、プランナー、プロデューサー、編集者……など1つの言葉で定義できないほど多岐にわたり、さらにその全てを包括している。「一次産業にデザインをかけあわせて風景をつくる」のが信条で、高知を中心に、地方の風景、あり方を変えていっている。三浦梅園に「枯れ木に花咲くより生木に花咲くに驚け」という言葉があるけど、梅原さんは何かに付加価値を付け足す「足し算」ではなく、そのものの本来の魅力に何かをかけあわせて引き伸ばす「かけ算」の仕事をされている。特に、コンセプトを一言でいい表すスキルがすごい。僕もこういう仕事がしたい。





2016年10月15日(土)

今日は街に繰り出して、シャツやジャケットやらなんやらをいっぱい買った。ハイブランドやオサレセレクトショップではもちろんなく、ファストファッションのお店である。総額2万円ぐらいで3カ月は乗り切れられる。なんて金のかからない男……。





2016年10月16日(日)

昨日ドメインを取って、今日mtguireというプロジェクトを急遽始動させた。昔同じドメインでブログをやってたんだけど、今回は「ヒト・モノ・コト『推す』=プロデュースする」企画としてやりたい。具体的に進行中の企画はまだないんだけど、メディアにこだわらずコンテンツを作っていきたいと思っている。立ち上げるのは好きなんだよね。あんまり続かないんだけど……。





2016年10月17日(月)

デレステのガシャに藤原肇ちゃんという最高の陶芸美少女アイドルが登場したため、おじさんは退勤後すぐセブンイレブンで10,000円のiTunesカードを買って帰ったのだった。しかし簡単に出会えるわけでもなく、クレジットカードを解禁して何度か挑むも、短時間で課金しすぎたせいかiTunesで課金できないエラーが出る事態に。課金させてよ……という欲求にとらわれていたのだった。小さい頃カードダスやガチャガチャにハマったけどここまでじゃなかった。もっと分別のある大人になりたい。





2016年10月18日(火)

結構な額を費やして、ついに肇ちゃんをてにいた。嬉しい。デレステはいつか終わるし、データも消えるかもしれない。オフラインでも使えるようにしてほしいけど、それは覚悟しないといけない。でも、人もいずれは死ぬ。僕もそうだし、誰か他の人もそう。刹那的にお金を使うのはバカらしいかもしれないが、旅行と同じようなもんだ。おみやげ以外は手元には何も残らないかもしれないけど、その時の快楽、嬉しいという感情、記憶は残る。消費として、iTunesやサイゲームス、バンダイナムコゲームスにも、カード会社にもログが残る。それでいいのだ。人生はひまつぶしだし、楽しければそれで。そういう考え方、中田英寿ナオト・インティライミみたいでなんかちょっと嫌だけど……。





2016年10月19日(水)

昔から糸井重里が苦手だった。あの人が生み出すもの、言動、アティチュードその他に納得いくことがなかった。『MOTHER2』が名作だからとにかくやれ、と友達に勧められてプレイしたものの、最初のパパから電話がかかってくるあたりでなんか不気味で面白くなくてやめた。「ほぼ日」の仕事も、すごいなとは思うんだけどなんか嫌だった。みうらじゅんが好きで、彼は糸井重里に関わりがあるのでその発言はよく確認はしていたんだけど、強烈な個性や自意識がある一方で他人を悪く言わない、なあなあで済ます、曖昧で良しとする印象があって、そのふわふわした感じが嫌だったのだ。でも最近、そうやって人をなるべく肯定する姿勢というのは見習うべきだと思い始めた。それはそういう人の方が素敵だと思うことがあったからだ。まだあの短髪のおじさんのことを完全に認めたわけではないけど、いつか認めてやる日が来るかもしれない。人は変わる。それでいいのだ。





2016年10月20日(木)

日本のプロブロガーと呼ばれる人、トッププレーヤーでも年収数千万円なのは夢がない。一部のトップと自認する本人が発表している数字を信用するなら、だけど。やはり年収数億円はいっていただかないと……。最近はみんなそろいもそろって炎上芸人と化し、有料noteやサロンなどをやり始めている。広告収益だけじゃやっていけないというのはそうなんだろう。でもコンテンツ内容が一様に「稼げるブログ運営のコツ教えます」なので、先が見えてる。別にそれが悪いわけではないけど、情報商材と落とし所は一緒だしね。「百式 100SHIKI」の田口元さんみたいにブログとかコンテンツは無料にして集客目的にして、コンサルやなんやら別の本業につなげる方がいいのでは。ブログでブログ論を語るような自己言及的じゃなくて、そのコンテンツ単体で稼げるのが、本当はいいと思うけど。





2016年10月21日(金)

東京の街に出てきた。夜は大学時代の友人たち4人と飲んだ。飲んだ、と言っても僕は断酒してるし、昔はウワバミのように飲んでいたWくんも酒をやめたので、ウーロン茶やジンジャーエールの注文の方が多かった。盟友とも呼ぶべき友人にも子どもができたことがわかった。みんな社会不適合者だったのに、どんどん立派な家庭を築いていっている。僕は仲間内で一番早く結婚したけど、一番早く離婚もした。だからやたら経験豊富な扱いだけど、心はいまだに童貞だし、子どももいないので、むしろみんなを尊敬する。みんなお酒の飲み方を覚えて飲みすぎないし、終電を乗り過ごすこともない。夜より昼の集まりが増えたし、子どもと一緒の参加のパパ、ママも多い。寂しくもあるけど、その変化は真っ当だ。『劇画オバQ』で、ハカセだけが起業の夢を見続けて独身で……とあって胸がズキズキ痛むこともあったけど、世間はどう見ようが僕は今の在り方に満足しているしみんなの在り方もいいと思ってる。まだまだダイバーシティを認めるにはほど遠い社会だけど、どんな生き方も美しく見えるように僕も努力してやっていくよ。





2016年10月22日(土)

秋葉原にある3331でメディア芸術祭20年の展示を見た。今見ても驚きがあるものもあれば、当時は新しくても今は陳腐化しているものもあった。伊藤ガビンさんが言うように、受賞作の中でも、後者に関しても、その時代をうまくとらえていたとも言える。メディアアートってメディアによってメディアのあり方そのものを批判する、メディアとコンテンツが切り離せないものだと思う。それはオリジナリティがあるけど、いまやメディアはよりコモディティ化していき、コンテンツをどこで何でどう受け取るかはユーザー次第なので、「メディア」にこだわる限り今後はこういう試みも「新しい」とは受け取られなくなる気がした。何回「メディア」って書いたんだ。





2016年10月23日(日)

今日はコミティア118 本番の日だった。詳細はさる出版のサイトやmtguireで触れると思うので、多くは語らないが、やはりイベントでいろんなものを作る人たちに触れるのは刺激になる。今後紙モノはあんまりやらないかもしれないが、イベントから遠ざかるのはもったいないな、と思った。





2016年10月24日(月)

今日は東京から神戸に帰るまで暇だったので、おのぼりさん気分でスカイツリーに行ってみた。東京に住んでいる間はなぜか敬遠して行ったことがなかった。東京タワーのフォルムや色の方が好きで、スカイツリーを愛せないところがあったが、行ってみるときちんと観光地化されていて、接客・エレベーター・フード・回廊を回ること、をアトラクションとして純粋に楽しむことができた。地上450メートルから見る東京を、美しいと思った。地域によって建物の高さや色合いがはっきり違うのがわかって面白かった。ここを自分の住処にして、暇なときはじっと車の動きを眺めたり、夕焼けや夜景を楽しんだりするのも悪くないな、と思った。





2016年10月25日(火)

久しぶりに出社した。久しぶり、と言っても1日休みプラス半休、年末に15連休予定の上司には敵わない(愚痴)。休むこと自体は別に悪いことじゃない。例えばアウトドアウェアなどを作るメーカー、パタゴニアでは数カ月の長期の休暇を推奨しているが、それは休むことそのもので社員のモチベーション維持ができたり、登山や旅行の経験が製品に活かされたりするからだ。休みの間仕事のことを考えるのは嫌だけど、仕事に限らずリフレッシュすることは次のステップにつなげやすい。だから休むことは問題ない。でも、その間ちゃんと自分がいなくなっても仕事が回るように引き継ぐべきだ。仕事は、その内容によってあえて属人化したほうがいい場合もあると思っている。コンテンツを作るような仕事ならなおさらだ。でも、そういう企画を抜きにすれば、ほとんどは人に受け渡せる。ロジカルに判断できるなら、それは普遍的に誰でもできるということ。たぶん、15連休の上司の仕事はほぼ誰かに引き継げる。1つ上の上司に。ホワイトカラーの仕事なんてそんなものだが、本当にあなたの仕事は必要ですか?と思ってしまうのだった。愚痴ばっかりになってしまった。





2016年10月26日(水)

誰もが体験したことがあるんじゃないかと思うんだけど、iTunesなどでシャッフルで音楽を聴いているときに「次の曲はあれかな」って考えてると、本当にその曲が来るやつ。最近あれがビシッと当たる。これはあれなんだろうか、AIが学習して、カユいところに手が届くようにしてくれているんだろうか。たしかにお気に入りのプレイリストの中でも、さらにお気に入りのよく聴く曲というのはあって、それは固定化してる。でもその日の気分で次に聴きたい曲は変わる。自分ですら何を聴きたいのかよくわからないこともある。そのうち、自分の感覚よりAIのセンスを信用するようになりそうだな。




2016年10月27日(木)

退勤中に音楽を聴きながら考えていた。僕は音楽こそが純粋芸術だと思う。メディアの特性を比較しても仕方ないが、映画や小説は完読されてから何かを変える力を持つようになる。音楽は現実に流れ始めた時点で、それそのもので日常を変える力を持っている。楽器や再生機器による媒介は必要とするものの、誰もがそれを再現できるしアレンジもできる。音楽はそれ自体が目的である。意味や物語から離れることができながらも、確実に人の感情を揺さぶり、その人間固有のタイムラインの中で物語を新たに作り出す。僕はまともに楽器で演奏できないし、楽譜も読めない。曲も作れないし歌も上手くはない。何もかもが音楽をライバル視する必要はないけど、この純粋性を作る側になって楽しめる人が羨ましいな、と思う。





2016年10月28日(金)

最近早く帰るようにしている。うちの部署はすごく忙しいわけでもない。もちろん人にはよるけど残業は多くても月40時間だから、20時ぐらいには会社を出ることができる。でもなんかそんな時間まで働くのがアホくさくなってきたのだ。僕の仕事量は人に比べて少ないわけではない。もちろん、単純比較はできないけど、担当するプロジェクトの数と作業項目だけ見ても、そう思う。真面目に仕事はしているけれど、手を抜けるところは力を入れすぎずにやっている。逆算してスケジュールを立て、その日マストの仕事をガーッとやる。そうするとすぐ終わる。今の仕事でやりたいこともあるけど、プライベートでもっとやりたいことがあるのでそっちを優先していこうと思う。残業代は減るが、長期的に見ればその判断が正しかった、と思えるようにしていきたい。





2016年10月29日(土)

僕の父親は69歳だが、今も働いている。専門職で、それなりに尊敬される仕事だ。三代続く職だったので僕も継ぐはずだったが、全く興味がなかったし頭も悪かったし他のことをやりたかったので別の道に進んだ。未だに父親の収入は僕の7倍近くある。でも、70歳になるといくら収入があっても新しくローンを組めなくなるようだ。父親と母親は来年父が70歳になる前に買おうか、と最近よくマンションを見に行っている。僕はいずれ東京に戻るつもりだから長くはそこに住まないし、2人が満足するならそれでいいと思っている。今日は僕も付き添って、高台から海が見える家を見に行った。いい物件だったが、坂道がきつく駅まで遠いのが難点だった。駅前にもなんにもなかった。結局そこには決めなかった。父親も母親も、長くてもう20年ぐらいしか生きられないかもしれない。うちの親族はややこしいトラブルが多くて特に母は心労が絶えなかったので、僕らには嫌な思いをさせないように、と墓も残さず樹木葬でいい、と言っていた。今度は樹木葬ができる京都のお寺を見に行くらしい。着々と終わりへの準備が進む。2人はいま、どんな気持ちなんだろう。僕ももっと真っ当に生きようと思った。





2016年10月30日(日)

昨日はしみじみしたことを書いたけど、デレステの話。デレステをやっていると、どんどん好きなアイドル(キャラクター)が増えていく。100人以上いるわけだから、誰でも1人は好みに合うアイドルがいるのではないだろうか。これはなかなか3次元のアイドルでは難しいのではないだろうか。3次元には3次元の良さがあることはわかる。2次元とは違って老けるし、死ぬアイドルたちは、その一瞬の青春ゆえの美しさがあるのだろう。ナマモノだし、変化し続ける姿を見たりその場に参加したりするのが楽しいだろう。ただいわゆる属性、趣味といったものをわかりやすく差別化するのは難しそうだ。魚やパンが好きとかヤンデレっぽいとかそういうのは2次元の方がやりやすいしコミュニケーションとしてわかりやすい。デレマスのアイドルたちのデモグラフィック・サイコグラフィックな情報がのったキャラ表がバンナムに絶対あるので、それをどうにかして入手したい。





2016年10月31日(月)

10月最後の日記だ。どうでもいいことばかり書いてきた気がする。この企画は、はじめから誰かに読まれることを前提に始まったけど、書いてるときはまったく読まれることを意識してこなかった。たぶん。今まで日記を1ヶ月書いたことなんかないので、書き上げた達成感が、いまちょっとだけある。サボって次の日書いたのもあるけど、まあ目をつぶろう。卒業文集みたいに後から読むとかなり恥ずかしいと思うが、いつか向き合うことになると思うので、覚悟しておく。この10月は色々と出会いと別れのある月だった。何枚か諭吉ともおさらばした。でもそれは前に進むために必要なことで、僕自身これからどうなるか楽しみだ。やりたいことやるために できるだけ長生きしたい。これからもブツブツ文句はいいながらも手と足を動かして現実を変えていきたい。僕のやりたいことはmtguireというプロジェクトでやっていくので、mtguire.jpをぜひウォッチしていってください。最後に、お食事さんありがとう。日記っぽくない終わり方ですみません。さよならまたどこかで!

 

 

 

 

 

 

 

平田島村(@hiratatouson)

 

稀代のアイドル・島村卯月のプロデューサー。スマホ越しに応援し、魅力を伝える活動をしている。他にも、ヒト・モノ・コトを繋ぐことでオタクに自己肯定感を感じてもらうためのメディアを画策するなど、活躍の幅は広い。オタクとサブカルをつなげる評論・情報誌や小説本などを作る際の別名義 “平田猿人” としても活動中。

 

 

 

 

 
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